ヒトの歩く・走るについて、その1

ヒトって全速力で走ってもほとんどの動物より遅いですよね。

ウサインボルトでも最大時速は37km/h程度。

カバって時速50km/hで走るらしいよ。

カバこええ

 

 

 

自然界において人間が優れたスプリンター(短距離走者)でないのは明らかです。

しかし狩りを行う場合であっても、捕食者から逃げる場合であっても、採集を行う場合であっても、動物の移動能力は生死に直結する重要な要素です。

 

動けない 奴は死ぬんだ 動物界(とんだ字余り)

 

じつはヒトの歩く・走る能力には面白い特徴があるんですね。

このシリーズではその能力についての解説をしていきます。

 

 

 

「走る」を考える前にヒトの1番の特徴である「歩く」ということを理解せねばなりません。

2本足で歩くということを通常の移動手段として採用しているのはホモ・サピエンス(現生人類)のみです。

この2本足で歩くというのはヒトの足部の構造と相まって、ロスが少ないとても効率の良い動作になっています。

足部の構造については次回に譲りますが、今回は2足歩行の運動学的な特徴を解説していくよー(足と脚はちゃんと使い分けてるよ!)

 

 

 

 

じつは人間の歩行動作の面白いメカニズムは「振り子動作」を利用しています。

速度が0の状態から動き始めてしまえばあとは少しの力を加えるだけで振り子が揺れ続けるのと同様に歩き続けられるのです。

さて、ヒトが歩く時の振り子は2つあります。

 

・股関節を中心とした脚部

・足部を中心とした重心の振り子

 

 

前者は簡単でしょう。催眠術のコインブラブラといっしょ。

歩行時に後ろ足が地面から離れると、浮かせた脚の重さで股関節を中心とした振り子運動が行われます。これにより後ろ足が自動的に前に蹴り出されるのです。

 

 

後者の振り子は通常イメージする振り子とは上下が逆さまです。

 

ある程度の速度を持った重心(おへその下)は慣性の導くまま最高点(足部の真上)に到達します。そのあとは鉛筆が倒れるように、重力に従って足部を中心とした円運動で前に振り出された足が接地するまで加速していきます。

加速された重心は逆の脚に支えられ、その慣性でまた最高到達点へ...と繰り返します。

 

このように位置エネルギーと運動エネルギーの交換が行われるため外部からのエネルギーの補給は最小限で済むんですね。

 

位置エネルギーが一番高いところでは運動エネルギーが最小に、

位置エネルギーが一番低いところでは運動エネルギーが最大になります。

 

位置エネルギーが一番高いところってのは重心が足の真上に来る時ですね。

まぁそんな感じで人間の重心は足部を中心とした円弧運動をしながら進んでいくわけです。

 

~~~~←こんなかんじね(適当)(図描くのめんどかった)(許せ)

 

 

 

さて、ふつう物体は外から力を加えない限りほっときゃまっすぐ動こうとします。

円運動 or 円の一部を切り取った運動をするには向心力というのが必要になってきます。向心力ってのは室伏です。

室伏が手を離すとハンマーはまっすぐ飛んでいくけど室伏が力を加え続けていることでハンマーは円運動をできるようになります。

 

衛星とかもそうですね。地球が重力で真ん中に向かって引っ張り続けてるから円運動ができてます。

 

歩く場合を考えると

ハンマーが重心で、室伏が重力です。

例えが行き過ぎてよくわからないパターンですね。

解説はしないのでその小さい脳みそでよく考えてください(独裁生徒会長並感)

 

 

 

んで円運動をするときの公式がこれ↓

a=V^2/R

aが向心加速度、Vが円運動をする物体の速度、Rが円運動の半径です。

この式を変換すると

V=√aRになります。

 

歩行運動の向心力は重力だから向心加速度は重力加速度に等しいため

a=g=9.8(m/s^2)

 

歩行は足部を中心とした重心(おへその下あたり)の円運動だから

Rはだいたい重心高Hとします。

まぁとりあえずH=0.9mとすると

V=√9.8×0.9

で表されますね。理想的ではありますが

人間の最大歩行速度は

秒速にすると3m/sくらい。

すなわち時速10.8km/sくらい。

っていう計算になります。

 

 

重力加速度は変更できないので早く歩こうとおもったら重心高を高くするのが有効です。

 

余談ですが、オタクといえばきつく締めたカバンの位置が高い印象があります。

コミケをはじめとした同人誌即売会では会場内の安全のため「走行禁止」のルールがあります。

素早く会場を巡り、お目当てのものをなんとかして手に入れたい。

そんな中でこのカバンを高い位置にホールドすることが有効なのです。

カバン、すなわち重量物を高い位置にホールドすることにより重心高を引き上げ、歩行速度を上昇させることが可能なのです!!!!!!!!!!

 

すごい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

このように「よくわからない動き」が目的により淘汰され、洗練された動きなのだと知ると感動します。

バイオメカニクスの学者とかはこういうのが楽しいんだろうな。知らんけど。

 

 

だいたい言いたいこと書いたので寝る。

 

ぽや